|
|
|
|
|
「ウチの社員はなかなか自分の思ったとおりに動いてくれないんだよ」−−企業の経営者さんや部長クラスの方々から、しばしばこのようにこぼされます。
なぜでしょうか? それは、「自分が楽をするために他人を動かそうとしている」からではないでしょうか。そして、皮肉なことに、人を操ろうとすればするほど人は動いてくれなくなるものです。
その仕事に対して自分自身がどれくらい“本気”で取り組んでいるかに比例して他人は動くものですし、その本気の姿を自ら見せることによって“周りの人の心が動く”のだと思います。
「最近の若い人は掃除とかコピーとか、そういう仕事をしようとしないんだよね。頼むと露骨にいやな顔をする奴までいる。」−−これもよく聞かれる言葉です。
なぜでしょうか? それは、掃除やコピーといった仕事を上司や経営者自身が「つまらない仕事」だと思っているからではないでしょうか。また、それらが「若い下っ端の奴がやる仕事」だと決めつけているからではないでしょうか。
決して、それらの仕事を人に頼んではならないと言っているのではありません。どんな仕事も社会にとって重要な仕事で、ムダな仕事やつまらない仕事はないんだということを自らが他人に示すことができれば、頼まなくても周りの人が自然にやってくれるようになるものです。
人を「管理」しようとすればするほど、自立した人材は育ちません。ただ指示を待っている人だけが増えていき、周りに何かと依存する人ばかりとなりがちです。
そうならないためには(以前にもここで取り上げましたが・「2010-4・人間の法則」)「支援」の気持ちをもって部下や社員と接し、自分のためではなく「誰かのため社会のため」になるように自ら動くことのできる人材を育成しなければなりません。
もし部下が同じ行動をとっていたとしても、その背景にあるものが「強制されて仕方なくやっている」か「自らが必要と感じ率先して動いている」かで、その意味合いも成果も全く違うものとなります。
以前、こんなことがありました。
全然上司の言うことを聞かないという評判のとある社員の方に「あなたはどうして上司の言うことを聞かないのですか?」という主旨の質問をしました。帰ってきた答えはこうです。「だって、○○部長の言うことを聞いたら、○○部長のようになってしまうじゃないですか!」
怖いですよね。自らが悪い手本になってしまっていたとしたら、言うことなんぞ聞く訳がありませんよね。育成する側の上司や経営者さん達が相手の前でよき見本となって、自らが仕事を楽しみ、周りと一緒に成長していく姿を見せられるようにしたいものです。
|
|
|
|
|
|