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社労士大橋の気まま日記
 
 



 
 ■ 「相手に伝わる“話し方”」を考える
   
   今回は意外と取り上げられる機会の少ない「話し方」について考えます。セミナー等の講師やプレゼン・会議、少人数での交渉など、人前で話す機会というのはかなり多いですが、それを苦手にする人も多いです。そんな方々のヒントにでもなれば幸いです。(以前にも当コーナーで取り上げましたが、反響が多かったため、一部改編の上で再掲しております。)

◎ “間(ま)”を大事にする
 人前で話すのが苦手・・という方には共通する原因があるように思います。それは「間(ま)が怖い」ということ。詰まったらどうしよう、話すことが思いつかなくなったらどうしよう・・と、話に間ができるのを怖がってしまうのです。で、そう思うと余計に上手く話せなくなってしまうのです。
 発想を逆にするといいように思います。あえて「間を作るようにする」のがコツです。そもそも「間」もなく途切れなく話し続けたら、聴いている方はついていけません。人間の脳は、話と話をつなぐ「間」を利用して直前の話を理解します。ですから、「間」がないとせっかくの話を理解してもらえません。口の中にまだ食べ物があるのに次の食べ物を突っ込まれたら苦痛なのと同じです。

◎ “ひらがなで”話す
 専門用語をやたらと多用する方がいらっしゃいますよね。その道の専門家同士が集まる場ならまだしも、ごく普通の方々は言葉を追いかけるのがやっとです。そうでなくとも難しい言葉やカタカナ語を多用すると、いくら前述の「間」を使っても消化しきれず、次の話に入っても脳が前の話を理解するように作用するので、次の話は理解されないばかりか脳にも入ってこなくなります。どうしてもカタカナ語を使わないといけない時は、直後にその意味を説明するとよいでしょう。また、難しい言葉は(同じ日本語ですが)やわらかく翻訳して使いましょう。(例:治癒する→病気やケガが治る、合致する→ぴったり合う)
 もっと言いますと、日本人の脳は“音”として入ってきた言葉を即座に「漢字に変換」しています。例えば「シカク」と言われたら、前後の文章の内容などから「資格」なのか「四角」なのか「死角」なのか「視覚」なのかを判断しています。私が個人的に心掛けているのは、(イメージ的に)“ひらがなで”語りかけるように話すということです。主役は話している人ではなく、聴いている人なのでしょうから。

◎ 熱意があると伝わる
 くれぐれも「精神論」ではありません。饒舌にペラペラと思いついたことをよどみなく話している人の話と「今日、私はこのことを伝えたいんだ」と言わんばかりにポイントを強調しつつ間も取りながら熱っぽく語る人の話と、どちらが聴き手の心に残るでしょうか。いわずもがな後者ですね。何も「流暢に上手く話す」必要はないのです。話が上手いというのは、単なる表面的な技術にすぎません。逆に、自分が気分よく話していると自覚できる時は危険です。得てしてそれは聴き手に伝わっていないことが多いです。
 今は色々な所で講師業もやっている私ですが、ひと昔前は「人前で話す」のが大嫌いでした。大勢の前に出ると足が震え、喉がカラカラになり、時に頭の中が真っ白になることもありました。
 が、上手に話そう・・などと思わなくなってから、人前で話すのが逆に楽しくなりました。今日この場で伝えたいことを強く心に刻み、間を怖がらないようにしたら困ることがなくなったのです。


 
 
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