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残業時間等の長さが問題視されることが多い今日この頃、改めて「休暇」というものについて考えてみたいと思います。
以前にも当コーナーで少しご紹介しましたが、欧米先進国と比較して、日本は「国民の祝日」がダントツに多いです。(昨年も「山の日」が一日増えましたし。)
それと対照的に、従業員の方が自由に取れる「有給休暇」は極めて少ないです。ドイツと比べると平均でおよそ半分しかなく、フランスとはそれ以上の開きがあります。
上記は「有給休暇の付与日数(個人に与えられる日数)」の比較ですが、有給休暇を実際に取った日数になると、さらにもっと開きが出ます。ヨーロッパ各国は与えられた日数をほとんど消化しているのに対し、日本は極めて消化率が悪いです。(年平均の取得日数は先進国中、唯一ともいえる一ケタ台です。)
日本人は伝統的に放っておいても休まないから、その副産物として国民の祝日(いわば国が定めた強制的な一斉休業日のようなもの?)が増えてしまったのかもしれません。
さて、ある調査機関が何年か前に日本のサラリーマン対象に行なったアンケートの中で、「休暇を取れない理由」として上位に挙がったのが・・、
・ 『仕事が忙しすぎて取れない』
・ 『上司や同僚など周りも取っていないので、雰囲気的に取りづらい』
・ 『休むと他の人に迷惑をかけたり、快く思われなかったりする』
・ 『休暇より仕事の方が大切だと思うし、休暇そのものの必要性を感じない』
・ 『他の人が仕事をしている時に自分だけ休むと落ち着かない』
・ 『休みをたくさん取ると、評定に響く気がする』
とのことで、国民性がもろに反映されていると言ってしまえばそれまでですが、この辺りが欧米先進国との差になっている一因なのでしょう。
もうひとつは、仕事の割り振り方に一因があるかもしれません。
欧米では「仕事に人を付ける」という考え方が主流です。つまり一つの仕事に複数の担当を置く形ですから、一人休んでも穴が開きにくいといえます。
対して日本では「人に仕事を付ける」という考え方が主流です。つまり一人の人に複数の仕事を任せる形ですから、その人がいなくなると代わりが利きにくくなります。
その善し悪しはさておき、単に業務の効率化を図るという点からも一考を要すものと思います。
理想論かもしれませんが、有給休暇等を積極的に取って心身をリフレッシュすることにより、新しい技術への対応力や斬新な発想などが生まれるという効果も大いにあるでしょうし、「健康経営」という言葉も昨今聞かれるように会社側にとってもプラス面での効果があるように思います。
単に休みを取るというだけでなく、業務全体のブラッシュアップが必要不可欠かと思います。
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