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「日本人は休まずによく働く」というイメージが一般的な気がしますが、本当にそうなのか具体的な数字を元に検証してみようと思います。(統計の取り方等で若干の違いがありますことご容赦下さい。)
◎有給休暇の日数と消化率
日本では一般的な社員の場合、最初の付与日数が10日で最高が20日(繰越分を除く)ですので、年間の有給休暇日数の単純平均は「15日」となります。これに対し、ヨーロッパの先進国であるドイツやイギリスでは「27日」で、フランスに至っては「38日」もあります。
で、その有休の消化率となるともっと顕著で、前述の欧州3か国ではどこも95%前後であるのに対し、日本では50%いくかいかないかです。さらに、「与えられた有休を全部使った人の割合」は、欧州3か国では80%近くもありますが、日本ではわずか7〜8%とかなりの差があります。
また、ドイツやフランスでは「1年のうちに2週間程度の連続休暇が法律で義務化」されているなど、慣習そのものが違っているように感じます。
ちなみにアメリカでは、法律上、年休は義務付けされておらず、判断は企業ごとに委ねられています。
◎労働時間数
対して、年間の総労働時間数を比較してみますと、日本では「1970時間」ほど、イギリスでは「1880時間」ほど、ドイツとフランスに至ってはおよそ「1530時間」と、かなりの開きがあります。
上述の時間のうちで残業や休日出勤など時間外労働にあたる部分については、日本は190時間程度あるのに対して、ドイツやフランスでは平均するとなんと「0時間」という驚愕の(?)数字があります。
ちなみにアメリカでは、(自由と自己責任の国らしく?)働く時間の上限等がある程度企業に委ねられているためか、総労働時間は1930時間ほどで、時間外労働にあたる部分は日本より多く220時間ほどあります。
上記の他、男性の育児休業取得率を見ますと、欧米各国が軒並み80%越えであるのに対し、日本ではわずかに2%弱という圧倒的な差が出ています。
日本企業に勤めるサラリーマンを対象とした何年か前のアンケートでは、「なぜ休暇を取らないのか?」という問いに対して、「上司や同僚など周りに気兼ねして取りづらい」「休んでばかりいると査定に響きそう」「休むことより仕事をする方が大事だ」といった、個人の生活よりも職場の“和”を重んじたり、休むことに対して罪悪感を感じるような、いかにも日本的と思える理由が目立っていました。
ということで、数字上でも「日本人はあまり休まないでよく働く」という事実が見て取れます。以上からどうお考えになるかは、お読みになったみなさんの判断に委ねたいと思います。
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