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社労士大橋の気まま日記
 
 



 
 ■ 「会議」を考える
   
   どのような会社でもその頻度の差はあれ「会議」は必ず開きますよね。しかし、本当に会社や従業員にとって効果的で実りあるものになっているでしょうか? 今回は「会議」について考えます。

1.「会議」の現状
 雑誌『プレジデント』の行なった調査によりますと、「会議の席上必ず否定的意見が出る」「一回の会議において結論が出るに至らなかった」というケースが実に90%以上もの割合を占めているそうです。また、同じ調査で、会議に費やされる時間は全体を平均すると週当たり2〜3時間とのこと。
 貴重な時間を割いて行なわれる「会議」が上記のような現状では時間や経費のムダになりかねません。(別にこんな計算はしなくてもよいですが、ある従業員さんの給料の時給換算額が¥2,000とした場合、会議にかかる分の金額を計算してみて下さい。会議に参加した人達の人数が10人としたら年間だとスゴイ金額になりますよね。)

2.「会議」とはどういう“場”なのか
 つまり、時間とお金をかけるだけの効果がないとまずいわけです。会議とは「現場の声と経営者の(過去の経験を元にした)考え方をすり合わせる場」だと私は思います。さらに言えば「従業員の方々に仕事への充実感を実感してもらう場」だと思います。“自分も経営に参加している””自分の意見も会社の意思決定に役立っている”ということを実感することができれば仕事が面白くなり、将来に向かってさらなる意欲が出てくるというものです。
 ですから、よほど常識を逸脱したものを除き会議で出る意見というのは、公平にじっくりと聴かなくてはなりません。意見を出したり提案をしたりするのは会社を改革したいからであり、それらを真っ向から否定したり返事をしないというのはすなわち会社の改革を放棄しているのと同じであり、またその従業員の人格をも否定することになりかねません。そうなれば、その従業員は以後意見を言わなくなるばかりか「どうせ言ってもムダ」と思い、考えることをしなくなります。これは個人にとっても会社にとっても有益なことではありませんよね。
 言い方を変えれば、会議は話し合いの場ではなく「聴き合いの場」ということが言えるかもしれません。

3.「会議」の目的が明確になっているでしょうか
 会議の目的をあらかじめ明確にしておくのはある意味あたりまえのことですが、以外と「なんとなく会議室に入ってなんとなく会議をする」ということが多いような気がします。これでは効果が期待できないのは明白ですね。
 何についての会議なのかは当然ですが、参加者それぞれが何を求められることになるのかを考えて準備することが重要です。主催する側だけでなく、参加する人それぞれが自分の意見や考え方をきちんと持って参加しなければなりませんね。事前に資料を配布しておいたり、アンケートやメールなどであらかじめある程度の意見やアイデアを集約しておくのもいいかもしれません。

4.会議の「交通整理役」を置きましょう
 意見がまとまらなかったり、堂々巡りの議論になったりというのは会議の中でよくあることですね。そんな時、その場をうまく切り盛りできる人がいれば様々なムダを省くことができます。
 ちょっとした打ち合わせ程度の会議なら必要ありませんが、ある程度の規模の会議となれば必ず「交通整理役」を決めてから会議をしましょう。「司会」とか「議長」に近い役柄でしょうか。
 例えば、『誰かの意見に対して否定的な発言ばかりする人がいる場合』や『話好きな人がずっと発言してしまう場合』あるいは『参加者各々の主観ばかりが交錯してしまった場合』などにこの「交通整理役」が威力を発揮します。
 あえて、上記で“「議長」に近い”という言い方をしたのは、議決権があるわけでなくあくまでも調整役という立場の役柄だからです。

5.会議の構成の仕方
 一定時間ぶっ通しではなく、前半と後半というように2部構成にしたほうがよいでしょう。前半は「アイデアや意見を出す時間」、後半は「前半で出たものを絞って結論を出す時間」というような使い方が望ましいと思います。そして、前半と後半の間には必ず短い「休憩時間」を入れましょう。人間の脳というのは、息抜きの時間を作ることによって活性化し、より効率よく働くのです。
 また、議事の進行中は言葉で意見を交し合うだけでなく、ホワイトボードなどに出た意見や議論のつながりを「視覚化」しておくとよいでしょう。
 それから、簡単なものでいいので会議の議事録みたいなものを作っておくとよいと思います。後で参考になるだけでなく「言った」「言わない」といった醜い争いがなくなります。

6.困ったときの対処法
@『話が長い人がいる場合』
 どこにでもいらっしゃいますよね。ただ、「話が長いのでそろそろ勘弁を・・」などと言ったら逆効果。 「ちょっと私の理解力が乏しいので、確認させていただきますが、今のお話は○○という解釈でよろしいですか?」などとある程度話を聞いた所で訊ねてみましょう。人間関係を損ねずに議論が進むでしょう。
A『意見がちっともまとまらない場合』
 こういう場合は一番経験が豊富な人やリーダーシップがある人(←権力がある人という意味ではありません)に「どういう結論が望ましいでしょうか?」とダイレクトに訊ねてしまうのがいいでしょう。表面上はまとまっていないように見えても、会議がある程度煮詰まった状況なら各自がある程度の結論を持っているものです。

 上記「対処法」を読まれてみて、4.で述べた「交通整理役」の必要性が改めておわかりいただけたのではないでしょうか。限られた時間ですから有効に使いたいものですね。


 
 
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