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今回は、前回の内容を踏まえ、実際の留意点やその効果などについて述べたいと思います。
◎ どのような「面談」をすればよいのか
前回、“評価をする時には必ず上司と本人が面談の上で行う”ということを書きましたが、ただ単に「面談」すればよいというわけではありません。(最近はメールやSNS等でコミュニケーションすることが多いですから、そもそも“直接の話の場を設ける”こと自体がよいことではありますが。)
まず第一に重要なことは、上司が部下の欠点や足らない点を指摘するのではなく、前向きな評価・コメントをし、長所を伸ばすような姿勢で臨むということです。当然どんな人にも欠点や反省する部分はありますが、そこを突くばかりでは次なるステップに進むことはできません。
また、「面談」の中では、業務上の課題や改善点の提案が部下の方から出てくることもあるでしょう。そのような声にはどんなことでも必ず耳を傾け、積極的に受け入れるようにするのがいいでしょう。
よく誤解されたりもするのですが、“受け入れる”というのは、言われたことを全て実現させるということではありません。相手の話を親身になって聴くということです。重要なのは、上司や経営者がどんなことにも耳を傾けてくれるという風土があるかどうかということです。
上記のことを実現するためには、「上司が部下を教育する」という上から目線的なものではなく、「お互いに学びあう」というスタンスで臨むことが肝要かと思います。
せっかくですから、企業に関わる全ての人達にとって有意義な時間にしてほしいものです。
◎ そもそも「人事考課」が目指すものは?
最近は自分で考えるということをせずに他人の指示だけ待っているような人が多い・・という声をよく聞きます。
理由や原因は色々あるでしょうが、上で述べたような風土や習慣が企業の中にないというのが大きな原因であるように思います。どんなことでも受け入れる風土があれば、「指示待ち人間」は自ずと減っていきます。
さらに言えば、部下に「こうして欲しい!」というのがあれば、あれこれ言う前に「上司が自ら範を示して」いくことが重要です。そうすれば、自分で考え、自分の責任で行動できる「自立型人材」が育ってゆきます。
これが“人材育成”と呼ばれる胆の部分です。会社組織が円滑にいかない最大の理由は、この重要な“育成”の部分を端折っていきなり“指導”ばかりをしてしまうからです。「育成なくして指導なし」というのを常に頭に置いておかねばなりません。
というわけで、「人事考課」をすることそのものではなく、広い意味での人材育成の一環として人事考課を上手く利用して、自立型の人材を数多く育てていくことが重要だということがおわかり頂けましたでしょうか。
そうしたことによってゆくゆくは会社組織が活性化し、結果として企業の繁栄に繋がっていくというのが理想です。
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