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世間でよく言われているフレーズのひとつに「短所や弱みを直すよりも長所や強みを活かすほうが良い」というのがありますよね。つまり自分の得意なことや強い部分を伸ばしていけば、弱い部分は自然に補完されて消えていくというような言い回しです。
そもそも自分の強みを磨くことは大切なので、これはこれでもちろん正しいと思えるのですが、やり方や方向性を間違えると恐ろしい結果を生むとも思うのです。
短所や弱みを最初から無視して突き進むのではなくて、そういう部分もきちんと自覚し直視した上でじゃないと、強みだけが独走・暴走して歯止めが利かなくなるのではないかと。
例えば強固なリーダーシップと政策推進力を強みとして持っている一国のリーダーが、その強みだけを伸ばし続けたとしたら、社会全体は正しい方向に導かれるでしょうか?(決して、どこの誰と言っているわけではありません。)
多少の比率の違いこそあれ、どんな人も長所と短所が両方あるもので、長所しか有していない幾分の隙もない完璧な人間なんていないですよね。自分自身の弱い部分や足りない所もきちんと自覚して、そこを上手く「他人の力を借りながら補完して」いける人が真にバランスの取れた人なのでは? と思ったりします。他人に依存ばかりしているのはよくありませんが、自分がどうしても足りていない部分について人の力を借りるというのは決して恥ずべきことではないと思います。
以前にどこかのコラムで読んだのですが、よく名経営者として引き合いに出される松下幸之助氏は「人には強みも弱みもある。弱みを認め、強みを活かすことで人は真に成長する」と申していたそうです。
人それぞれが互いに弱い部分を補完し合いながら強みを活かしていくことこそが、社員みなの成長に繋がり、組織のまとまりや信頼をも育んでいくということかと思います。
そういえば、「あなたは何でも知っていて、どんなこともきちんとできる優れた人だから、特に手助けも必要ないよね」と多くの人に言われて困っている人がいました。きっと、この人は強い部分だけを他人に見せているために周りに誤解されていたのでしょうね。
ぜひみなさんも「ご自身の短所や弱み」もどこかに忘れて置いてくるのではなくて、きちんと自覚して誠実に向き合ってみましょう。そうでないと、誰からも援助してもらえないですし、応援もされないのでは・・と感じている次第です。
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