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これも職業柄よく人から言われるのですが、「労災を使うと保険料って上がるでしょ?」とか「労災を使うと労基署から睨まれて会社に調査とか入るでしょ?」とか、労災に関してやたら疑心暗鬼な方が世間には多いようです。
今回はこうした「労災に関する誤解」を解いていこうと思います。
まず冒頭の保険料上がる説ですが、自動車保険のようなシステムと混同してしまうんでしょうか。確かにメリット制といって、一定規模以上の会社などで種々の要件を満たすと、過去の災害発生率に応じて労災保険料が微妙に上がったり下がったりする仕組みはあります。ただ、そういった会社等はそこまで世の中に多くはないので、ごく普通一般の会社さん等はそんなことはありません。
先程の不安げな質問をされる方に改めて問い直してみても、メリット制が頭にあっての発言ではなく、やはり自動車保険的なシステムと勘違いしていたパターンがほとんどです。
2つ目の「調査が来るかも・・」ですが、そんなことはほぼありません。
もちろん、死亡事故のような重度の災害が月に何回も起こったりしたような場合は労基署の担当官が会社に調査に来るかもしれません。ただ、それは労災を使ったから調査に来たわけではなく、単純に会社の安全管理的に危ないから来るのです。
一番怖いのは、上記のような不安やデマ(?)から「労災保険を使わないでおこうという方向性」になることです。どうも日本の会社組織の中に、労災を使うとヤバイみたいな雰囲気をよく感じます。
いわゆる「労災隠し」は、それこそもっとヤバイですから、あえてリスクの高い方向になぜ行こうとするのかな・・とよく疑問に思います。
労災は本当によくできた「保険」です。労働者側の保険料負担は一切なしで、一般には一部の経営者層以外はほとんどすべての従業員をカバーできます。仕事中や通勤途中のケガ・病気であれば、病院での負担も原則無料で、それが原因で会社を休めば給料の80%相当額がもらえます。
どんどん使いましょうとは流石に言えませんが、せっかくの公的な保険ですから、正しい知識をもって有意義に使っていきたいものです。
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