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仕事柄よく尋ねられることのひとつに「収入がどれくらいまでだと健康保険の扶養に入れますか？」ということがあります。今回は、この健康保険の扶養に入れることのできる様々な要件について述べていきたいと思います。
まず被扶養者そのものの範囲ですが、これがけっこう広いです。３親等内といってもなかなかピンとこないかと思いますが、自分自身の直系の親族ほぼ全てと配偶者側の祖父母や孫に甥や姪まで含んだ範囲となっていますから、かなりその範囲は広いです。
ただ、そもそも“扶養”ですから、被保険者本人の収入で生計維持されていることが大前提ですし、この内「配偶者・子・父母・兄弟姉妹・孫・祖父母・曾祖父母」以外の人については基本同居していることが条件で、75歳以上の人は後期高齢者医療制度の対象となることから扶養には入れませんので、自ずとその範囲は絞られてきますよね。
逆に「配偶者・子・父母・兄弟姉妹・孫・祖父母・曾祖父母」は別居していても大丈夫ですが、短期留学等の場合を除き海外居住は基本ダメで、日本国内に住んでいることが条件となります。
次に、収入の要件です。ここがよく質問を受ける所ですが、通常は「年収130万円未満の人」であれば扶養に入れることができます。よく103万円の壁などと言われる所得税法上の扶養の範囲と勘違いされる方が多いです。（同じ「3」という数字が入っているからという理由もありそうですね。）
ちなみに、60歳以上の人や一定の障害がある人などは、（年金の分の収入も考慮するためか）上記の収入要件が180万円未満となります。
ここで注意を要するのが、その収入に含まれるものの範囲です。通常の給与収入だけではなく、年金や雇用保険の失業給付や通勤費などもその範囲に含まれます。もちろん、学生バイトであっても単純に年間130万円以上だとダメです。（失業給付も含むということは、特にどこかの会社を退職した後は、必ずしもすぐ扶養に入れるわけではないので注意が必要です。）
あと、ここで次いでよく聞かれるのが「どの時点で130万円未満を判断するのか？」という点。一般の協会けんぽの場合は「今後１年間の見込み」で判断します。健康保険組合の場合には、過去１年や現在の状況で判断される所もありますので、加入している組合によってその都度確認が必要です。
最後に、上記２つを併せて考えます。前述したとおり「配偶者・子・父母・兄弟姉妹・孫・祖父母・曾祖父母」は別居していても扶養に入れることができますが、別居の場合は被保険者本人から該当の方々に（対象の方の年収を上回る金額の）仕送りをしていることが証明できないと扶養に入れることができません。
ということで、主な要件だけでもけっこうありますが、ある意味本人の保険料はそのままで健康保険を使える人が増やせるという点では何かとお得な制度と思いますので、ぜひ要件を知った上でご活用頂ければと思います。
〜時節柄、今後しばらく暑い日が続くと思われます。熱中症等に注意してこの夏を乗り切りましょう！〜
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