|
|
|
|
|
では、前回の基本的事項を踏まえて、実際の取り方や管理方法、運用する上での注意点をまとめていきます。
まず、自分自身が持っている年休は、次年度に限り残った分を繰り越すことができます。つまり、余った分と新規発生分を足した日数が今期使える日数となります。
一番理想なのは、年間にわたりバランスよく年休を取ることですが、業種や職種によってはなかなか取ることが難しかったりもしますよね。また、「休まずに働くのが美徳」という考えが根底にあったり、周りの人に気兼ねして自分だけ好きな時に休むのをためらったり、日本独特の文化的慣習が障壁のようにもなっている感があります。
そんな日本でも、およそ4年前の法改正で「年間10日以上の年休を付与されている人は、年間に最低5日は取らないといけない」ようになりました。(この件は、あまり世の中に浸透していないのか、実際にきちんと守っている会社等は少ない感があります。みなさまご注意ください。)
ただ、この法改正の影響なのか、これまで諸外国と比較して著しく年休の消化率が低かった日本も、一昨年〜昨年あたりの統計では、ほんの少しずつですが年休の消化率の上昇がみられます。
あと、個人的には退職前にいっぺんにまとめて取ることは(年休の主旨そのものと違ってくるので)お勧めしていないですし、それこそ権利だからと言って周りへの影響を全く考えず、自分自身の仕事の進捗に著しく支障が出るような取り方は果たしてどうなのかな〜と思っている所です。積極的に年休を取ること自体は悪いことではないと思うので、その辺りの兼ね合いが何とも難しいですね。
では、次に会社側から見た管理等の方法です。
現在は、個人別の年休管理が義務付けられています。「年休管理簿」と呼ばれるようなもので、発生・使用・残り・繰越日数などを個人毎に管理する必要があります。この管理簿も全く作っていない所が多く見受けられますので、注意が必要です。(ちなみに、上記の内容が網羅されていれば名称・形式は問いません。)
そして、それぞれの年休発生月が近づいたら、残&繰越の日数、新規の発生日数などを従業員さんにきちんと通知しましょう。
どうも日本の会社等では、従業員さんが年休を取ることにマイナスイメージを持っている人が多いように感じます。無秩序に休みまくられたら困るとか、休んでるのにその分の給与を払うことになるのは解せないとか etc.(まあ気持ちはわからなくもないですが・・。) 実際に年休を取らせないように通達している会社もありますから、ここまで行くと明らかに行き過ぎですね。
法律上きちんと定められた「労働者の重要な権利」であることは言うまでもなく、休暇というのは心身ともにリフレッシュすることで、生産性や新しい技術への対応力をより高めたり、創造的な発想などを生まれさせたりするために必要不可欠なものです。
ぜひ年休の取りやすい職場風土・雰囲気を作ると共に、業務内容や分担などの見直しと効率化も図っていきましょう。
|
|
|
|
|
|