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■ “やる気のない社員をやる気にさせた”上司のお話 |
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主にオフィスビルなどの清掃をしているとある会社でのお話です。
その一部門に主任として新しく異動してきたAさん。前任の主任さんからの引き継ぎの中で「ここには一人どうしても仕事をまじめにしない奴がいる」と聞いていました。いくら注意してもダラダラしているばかりで困っているのだとのこと。
Aさんは赴任最初の日にみんなの仕事を見て回りました。確かに言われていたとおり、一人だけどう見ても勤務態度のよくない人がいました。こんな掃除の仕方ではいずれ苦情もきかねません。
<さて、Aさんはどうしたでしょうか?>
次の日、Aさんは誰よりも早く出勤しました。そして、その彼の担当している場所を自ら掃除し始めました。
いつもの調子でダラダラと出勤してきた彼はビックリです。昨日赴任したばかりの新しい上司が自分の担当場所を一生懸命掃除しているのですから。
Aさんは一瞬だけ手を止め、「おお○○君、おはよう。」とだけ言って、また忙しく手を動かし始めました。
掃除機だけでなく雑巾やモップなども使い、本当に丁寧に隅々まできれいにしていきます。また、動きに無駄もなく実に手際のよい作業っぷりです。
瞬く間に彼の担当場所は見違えるほどきれいになりました。
まだポカーンとして立ったままの彼に向って、Aさんはやんわりとひと言。
「どうだ、きれいになったろう? こうやってきれいになれば気持ちいいもんだよな。」
次の日から、彼の仕事ぶりは見違えるように変わりました。遅刻もせず実にまじめにテキパキと仕事をこなすようになりました。そして、充実感たっぷりの顔で元気にあいさつをして帰っていくのです。
〜「率先垂範」という言葉があります。前任者がいくら口やかましく言っても改善しなかったのが、自分から手本を見せ、そして、その仕事の達成感・充実感・楽しさというものを短い言葉で伝えたのです。〜
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