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職業柄、企業の経営者の方々とお話しすることが多いためか、ふと気付くと自分の考え方や立ち位置がいつしか“経営者寄り”になってしまっていることがあります。
あくまでも「第三者」であり、「公平中立な」立場でいなければ・・とそのたびに自分を戒めるわけですが、自分自身もある意味「経営者」ですから、同時に賛同する部分もあるわけです。
学校を卒業していきなり社長になるなどというのは、ごく稀ですよね。たいがいは一般の社員等を経て社長や役員になるわけです。普通に考えれば、経営者になった後も「社員の気持ち」はわかるはずです。
が、例えば社員さんから意見や要望が上がってきたりすると、「そんな会社の事情も知らないで」とか「会社を経営するってのは大変なんだぞ」というようなフレーズがよく聞かれます。
一方、社員さんの方は最初から「社員」である場合がほとんどです。最初に社長で、その後何年かして一般の社員さんになるという方がむしろ稀ですよね。
何が言いたいのかというと、「一般の社員さんに経営者側の気持ちをわかれという方がより難しい」ということです。だって、経営者になった経験がないのですから、そりゃあわからないってもんです。
そもそも、この経営者さんと一般社員さんとの間の思考のズレや温度差等はどこからくるのでしょうか。
思うに、どちらかの立場にある程度長い時間浸っていると、無意識のうちに良くも悪くも偏った考えが身についてしまうのでしょう。同時に、周りの仲間や交友関係も同じような立場の人が集まってしまい、いつしか「その立場の考え方」で物事を判断してしまうのだと思います。
よく立場が変わると言っていることがコロッと変わる方がいますが、これも今までと違う“視点”で物事を見ることが多くなるために、考え方が勝手に変わってしまうのです。
また、これは何も経営者と社員の間だけの問題ではありません。例えば、親と子供、先生と生徒など色々な事例に当てはめることができましょう。
この「変化してしまった“視点”」は、できるだけいったんリセットしたり、公平な考え方に修正する必要があるかと思います。
経営者側の方は、自分が一般の社員だった頃、いったいどんな思いでどんなことを考えながら日々働いていたのかを、社員側の方は、(自分にその経験がなければ想像するしかありませんが)自分が会社を経営していたとしたら、今している自分の言動がどんな風に映り、いったいどういう風に考えるか・・ということを、その都度違う立場に立ちながら自問自答していくということが、ズレや温度差を解消するための唯一無二の方法ではないでしょうか。
〜今年もみなさまの仕事や生活が、有意義で充実したものとなりますよう祈念しております。〜
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