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最近は様々な業種で外資系企業も多くなってきました。それに比例するように、外国との文化や慣習の違いなどを原因とする人事・労務関係のもめごとなども多くなってきました。
今回はこれらの実例をご紹介したいと思います。(もちろんすべての外資系企業がこのような実態という訳ではありませんので、あくまでもそういう企業が多いという意味合いでお読みください。)
◎給料は振り込まない?
会社によっても違いますが、諸外国の多くには、意外なことに「従業員の給料を銀行口座に振り込む」という慣習がありません。「給料は手渡しするもの」or「小切手で支払う」という考えが基本のようです。
さらに、月に一度ではなく(たとえ月給制であっても)二週間に一度支給というのが一般的とのこと。
◎雇用契約上の慣習の違い
近年変わりつつはありますが、日本ではやはり終身雇用というのが根底にあり、従業員自身が退職する旨を言い出したり、よほど悪いことをしなければ、ずっと雇用され続けることが基本かと思います。
が、欧米では企業側の理由で一方的に解雇するということも日常茶飯事で、実際に雇用契約書に「お互いいかなる理由に関わらず、いつでもこの雇用契約を解消できるものとする」というような文言が入っていることが多いです。ともあれここは日本ですから、日本での雇用慣例を相手法人に理解してもらい、日本側の慣習・慣例とすり合わせることが必要となります。
◎「管理監督者」の範囲の違い
某ハンバーガーチェーン等に関する件で以前話題になりましたが、特にアメリカではこの日本で言う「管理監督者」の範囲はとても広いのです。ですから、例えば「課長クラスに残業代を支払う」などと言うととてもビックリされます。逆に向こうが日本の法制度を理解していないと、少しでも専門性があって管理的な職種の人には「時間外手当などはなし」という契約にされてしまいます。
この辺の法制度の仕組みの違いを双方で理解し合わないといけないですね。
◎休日・休暇に対する考え方の違い
およそ察しはつくと思いますが、欧米では従業員がまとめて長期の休暇を取る、あるいは自分の都合で好きな時期に休暇を取るということが半ば常識的で、企業の方もそれが義務であるというような認識です。
あと、病気やケガ、あるいは出産などで長期休まなければならない場合の認識の違いがあります。これも欧米では「気の毒だからなるべく長い間休んで頂こう」となります。給料にも極力影響が出ないようにという考え方です。これに対し日本では、「みんなに迷惑だし自分の仕事も気になるので、なるべく早くに職場復帰しよう」となりがちです。
それから、保険制度の違いもあります。日本では健康保険の「傷病手当金」や「出産手当金」などのように休んでいる間に国からの保険で生活費が賄えますが、意外にも諸外国にはこのような保険制度はない所が多いのです。
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