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時期的には「労働保険年度更新」と「社会保険算定基礎届」の作成・提出が終わった頃ですね。この時期によく受ける質問のひとつに「○○は報酬(賃金)になるのですか?」というものがあります。
今回は労働・社会保険上、報酬(賃金)になるものとならないものを整理して紹介したいと思います。
◎報酬(賃金)になるもの
まず「基本給」などと呼ばれているものは当然として、「家族手当」「住宅手当」「役職手当」などいわゆる諸手当と呼ばれるものは報酬(賃金)となります。「残業手当」や「歩合給」など支給の都度金額が変動するものも含まれます。ポイントは名称を問わず「働いている人が労働の対償として受けるもの」を報酬(賃金)と呼んでいます。ごく単純に言いますと、普段給与明細に載っているものは報酬(賃金)になると考えて一般的には差し支えありません。
次に、間違えやすいのが「通勤手当」です。税金(所得税)の世界では、特殊なケースを除いて原則非課税の扱いとなるため報酬(賃金)とはみなされませんが、こちら労働・社会保険の世界では報酬(賃金)になりますので、ある意味真逆の取り扱いとなります。また、定期券代など通勤費相当分を会社の経理部門等から小口現金で本人に直接手渡ししている場合も同様です。
そして、労働保険(労災・雇用保険)と社会保険(健康・厚生年金保険)とで微妙に扱い方が違うのが「賞与」です。前者ではまさに報酬(賃金)となり、前述の年度更新の際にも保険料計算における基礎額として参入します。それに対し後者では、特別なケースを除いて通常は報酬(賃金)ではないとみなされ、算定基礎届作成の際には賞与の分は省いて計算をします。ただ、賞与からも社会保険料は引かれ、支給の都度「賞与支払届」という届書の作成・提出が必要となりますので、併せて注意が必要です。
◎報酬(賃金)にならないもの
会社が払うものでも、「結婚祝金」「災害見舞金」「弔慰金」などいわゆる福利厚生的な意味合いのものは報酬(賃金)にはなりません。
また、「退職金」や「解雇予告手当」など一時的なものも報酬(賃金)にはなりません。
上記のように「通勤手当」は報酬(賃金)になりましたが、これに対して「出張旅費」やそれに伴う「宿泊費」などは実費弁償的なものとして報酬(賃金)にはなりません。
あと、労災保険の「休業補償給付」や健康保険の「傷病手当金」など、いわゆる公的な保険給付や年金も報酬(賃金)にはなりません。
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