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前回・前々回の続きのようなテーマですが、人材を確保するにあたってのそもそもの実情と現実的な対応方法について考えてみたいと思います。
大方の予想どおり、現在の日本社会ではやはり中小企業で「労働力不足」が起きています。人口減少・少子高齢化による生産年齢人口自体の減少もさることながら、景気の緩やかな回復と共に売り手市場となり、求職者がより大きな企業や安定性の高い所を求めたり、イメージ的に3K的な職種を嫌ったりという傾向が強くなっているためです。
とある調査によると、業種的には「宿泊・飲食業」「運輸業」「介護・看護」「建設業」といった所で実際に労働力不足が起きており、上記現象を裏付ける結果となっています。また、経営上の一番の不安要素は何かという問いに対し、中小企業の経営者は「国内の消費低迷による売り上げ等の減少」「原材料価格・コストの高騰」に次いで「労働力の不足」を挙げています。
というような現状ですので、これまでどおりに求人を出して応募が来るのをひたすら待つ・・という受け身的感じの人材募集方法ですと、よほど知名度の高い企業でない限り現実的に人が集まりません。自ら我が社のアピールポイントを世の中に知らしめていかないと厳しいかと思います。
求人票や求人広告を作る際にもひと手間加えて、会社のいい所や働きがいなどがにじみ出るようにしたり、自社のHPやSNS等に職場の雰囲気がわかるような写真や映像を載せたり、実際に今働いている社員さんの声を載せたりしてみましょう。
今はネット社会でもありますから、特にネットを通じた各手法は効果がとても大きいです。上記のような感じにHPを変えて、他のSNS等と連携して発信するようにしたら、急に応募してくる人が増えたという声が実際にあります。
あと、求める人材に関する「固定観念」のようなものは捨てた方がよいかもしれません。例えば「この仕事は若い日本人の男性が向いている」といったような思い込みは、自ら求人の幅を狭めてしまいます。
どうしても範囲を限定しないと成り立たない職種もあるとは思いますが、既存の社員の職務分担やものの考え方を変えると可能になることも案外多いです。
それから、同時に並行して現在の社内の業務効率化や体制の見直しもしていくとよいかと思います。特定の人にかえって業務が集中してしまっては元も子もありませんが、どうしても新たに人を雇わないと回らないか、人事異動や各人の業務分担を変えることによって不足分が賄えないか等を考えていきましょう。
それによって業務の無駄や無理が是正できたり、より生産性が上がることにも繋がるかもしれません。
なお、この所の労働力不足の深刻化を受け、中小企業庁が昨年に「中小企業・小規模事業者人手不足対応ガイドライン」というのをまとめています。具体的な取り組み事例や対応方法などが、豊富な実例と共に紹介されていますので、参考にしてみてはいかがでしょうか。
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