今回は近々改正・変更となる事項のうち、みなさんの仕事や生活にかかわる部分について、その概要をご紹介したいと思います。
1.育児・介護休業法および雇用保険法が改正されます
この4月から「男女ともに仕事と育児・介護を両立できるようにすること」を趣旨として、育児・介護休業法が改正となります。
これまでは、3歳までの子を持つ労働者が申し出れば残業の免除が認められていましたが、今後は「小学校就学前までの子」にその対象が拡大されます。
子の看護休暇(年5日取得可能・子2人以上は年10日可能)については、「小学校3年生修了まで」(※現在は小学校就学前まで)に延長され、病気やケガ等の時だけでなく、感染症に伴う学級閉鎖や入園・入学式や卒業式等を理由としても取れるようになります。
また、会社等の努力義務ではありますが、3歳になるまでの子を養育する労働者については、これまでの短時間勤務だけでなく「テレワーク」を選択できるようになります。
そして、これまでの雇用保険「育児休業給付」に加え、「出生後休業支援給付」や「育児時短就業給付」が新たに創設されます。前者は配偶者も同時に育児休業をしている場合などに、現行の育児休業給付に上乗せするような形で支給され、後者は2歳に満たない子を養育するために所定労働時間を短縮して働いた場合に、原則その時の賃金の10%相当額が支給されます。
欧米諸国では両親ともが育児に積極的に関わるのがほぼ当たり前となっています。各制度の内容もさることながら、我が国の習慣や価値観も時代と共に変わっていけばいいなと個人的に思っている所です。
2.健康保険料率・介護保険料率・雇用保険料率等が変わります
健康保険(協会けんぽ管掌)の保険料率が変更になります。
東京都の場合は9.91%(事業主と被保険者が4.955%ずつ折半負担)、同じ要領で埼玉県は9.76%、神奈川県は9.92%となります。今回は全国的には引き下げとなる都道府県が多いようで、先述の首都圏地域でもいずれも引き下げとなっています。
介護保険料率は1.59%に変更され、こちらも引き下げとなります。(介護保険料は全国一律の料率です。)
これらの変更は、令和7年4月末納付分(→保険料としては令和7年3月分)からですので注意して頂くと共に、社会保険に加入されている企業等におかれましては、データ・設定の変更をお忘れなく。
雇用保険料率もこの4月から変更になります。こちらも引き下げとなり、具体的には下記のとおりです。
・一般の事業 ⇒ 1000分の14.5(労働者負担分:1000分の5.5/会社負担分:1000分の9)
・建設の事業 ⇒ 1000分の17.5(労働者負担分:1000分の6.5/会社負担分:1000分の11)
今後の労働保険の年度更新や給与・賞与から雇用保険料を控除する際には何卒ご留意ください。
また、国民年金保険料については、令和7年度は「月:17,510円」(前納割引等を適用しない通常支払の場合)となり、こちらは引き上げとなります。
参考までに、厚生年金保険料率については変更なく、従来と同じ料率です。
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