今回は近々改正・変更となる事項のうち、みなさんの仕事や生活にかかわる部分について、その概要をご紹介したと思います。
1.中小企業にも時間外労働の上限規制が適用となります
大企業にはすでに適用されていましたが、今年4月以降は中小企業においても時間外労働は「1ヶ月:45時間、1年:360時間」の上限の中で収める必要があります。ただし、建設業や自動車運転の業務などの一部の業種については、今後もしばらくは猶予されています。
また、それに伴い「時間外・休日労働に関する協定届」(通称:三六協定)の様式も変更となる他、その締結の際の労働者等の過半数代表者の選び方についても取り扱いが厳しいものとなります。
2.健康保険の被扶養者の基準が変わります
健康保険(協会けんぽ管掌)の被扶養者の認定基準が変更になり、今年4月以降は原則「日本国内に住んでいる人のみ」が被扶養者として認定されるようになります。
これまでは海外に住んでいる人も一定の親族範囲について認められていましたが、今後は一時的な海外渡航や留学などの場合を除き、被扶養者として認められないことになります。
3.健康保険料率・介護保険料率・国民年金保険料が変わります
健康保険(協会けんぽ管掌)の保険料率が一部の都道府県で変更(引き下げ・引き上げいずれもあります)になります。
例えば東京都の場合は、9.87%(事業主と被保険者が4.935%ずつ折半負担)で引き下げになります。
ちなみに、同じ要領で埼玉県は9.81%(引き上げ)、神奈川県は9.93%(引き上げ)となります。
また、介護保険料率は1.79%に変更され、若干の引き上げとなります。(こちらは、全国一律の料率です。)
これらの変更は、令和2年4月末納付分(→保険料としては令和2年3月分)からですので注意して頂くと共に、社会保険に加入されている企業の方におかれましては、給与マスター等のご変更をお忘れなく。
国民年金保険料については、令和2年度は「月:16,540円」(前納割引等を適用しない通常支払の場合)となり、若干の引き上げとなります。
なお、厚生年金保険料率については、今回は変更なく従来と同じ料率です。
4.雇用保険料の徴収について
雇用保険料率は来年度もこれまでと同じ保険料率になる見込みですが、65歳以上の人についての免除制度がなくなります。
つきましては、今年度4月以降は65歳以上の雇用保険加入者の方は、他の方々と同じように給与から雇用保険料を引去ることになりますので、給与計算の際にはご留意ください。
※追記・・時節柄、感染症等には十分にお気を付け頂きながら毎日をお過ごしくださいませ。
|