今回は、今年3・4月の法律改正のうち、みなさんの生活や日頃の業務に関わりの深い部分をご紹介したいと思います。
1.障害者雇用促進法が変わります
募集・採用、賃金、配置、昇進などにおいて、障害者であることを理由に障害者を排除したり、障害のない人を優先したり、障害者に対してのみ不利な条件を設けることが禁止されます。
また、募集及び採用時においては、障害者と障害者でない人との均等な機会を確保したり、採用後においては、障害者と障害者でない人との均等な待遇を確保したり能力発揮の支障となっている事象を改善するなどの配慮(設備や備品の改良・業務マニュアルの明確化・通院や体調管理への配慮など)が必要となります。
2.傷病手当金等の計算方法が変わります
健康保険の給付金の一種である「傷病手当金」(私的なケガや病気で会社を休んだ時の給付金)と「出産手当金」(女性が出産を理由に産前産後の一定の期間を休む間の給付金)について、計算方法が変わります。
これまでは、単純に実際休んでいる期間の標準報酬月額(保険料の元になる給与等の額)を基準として給付率をかけていましたが、この4月以降は、「支給開始日以前1年間の標準報酬月額(同上)の平均額」を基準として給付率をかけることになります。
なお、給付率(3分の2)については、従前と変更ありません。
3.健康保険料率が変わります
健康保険(協会けんぽ管掌)の保険料率が一部の都道府県で変更(引き下げ・引き上げ両方ありですが、今年は引き下げの都道府県が多いようです)になります。
例えば東京都の場合は、9.96%(事業主と被保険者が4.98%ずつ折半負担)と若干の引き下げです。
ちなみに、同じ要領で埼玉県は9.91%、神奈川県は9.97%、新潟県は9.79%となります。
なお、介護保険料率は1.58%でこれまでと変更ありません。(こちらは、全国一律の料率です。)
これらの変更は、平成28年4月末納付分(→保険料としては平成28年3月分)からですので注意して頂くと共に、社会保険に加入されている企業の方におかれましては、給与マスター等のご変更をお忘れなく。
それから、(念のために申し上げますが)厚生年金保険料率については、今回は変更ありません。
4.国民年金保険料が変わります
平成28年4月分以降の国民年金保険料は、月額「16,260円」(前納や早割を使わない場合)となります。これまでは月額「15,590円」でしたので、若干の値上げとなります。
※追記・・・雇用保険法においても諸改正が予定されておりますが、当コラム編集時点ではまだ正式に詳細が決定しておりませんので、次回以降にお知らせいたします。
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