今年4月の法律改正のうち、みなさんの生活や日頃の業務に関わりの深い部分をご紹介したいと思います。
1.労働契約法等が改正されます
同じ使用者との間で、有期労働契約が通算で5年を超えて反復更新された場合は、労働者の申し込みにより無期労働契約に転換することになります。(労働者側から申し出があった場合のみです。)
この通算契約期間のカウントは、平成25年4月1日以後に開始する有期労働契約が対象となりますので、現時点で4年や5年の通算期間となっている方については関係ありません。(この法改正の影響が出るのは早くても5年後ということです。)
また、あくまでも「無期」という期間の定めのない雇用形態に変更するということですので、正社員化しなければならないわけではなく、賃金などの労働条件についても従前どおりでかまいません。
それから、労働基準法施行規則も改正され、「期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準」も書面の交付により明示しなければならなくなります。具体的には、雇用契約書等に契約更新の有無や更新する場合の基準を記載して、雇用契約を更新することとなります。
2.高年齢者雇用安定法が改正されます
65歳未満の定年を定めている企業が「雇用継続制度」を導入する場合、これまではその対象者を労使協定で限定することができましたが、この4月からは、原則として希望者全員を雇用継続制度の対象とすることが必要になります。
ただし、経過措置が認められていまして、現時点(25年3月末まで)でこの対象者の基準を労使協定で定めている場合には、特別支給の老齢厚生年金の支給開始年齢までは従前と同じ基準を適用して、対象者を限定することができます。
なお、これを機に「定年年齢を65歳以上に引き上げる」、あるいは「定年制そのものを廃止」するのであれば、それに越したことはありません。
3.健康保険料率(3月分〜)と雇用保険料率(4月分〜)について
例年、3月分保険料(4月末納付分)より保険料率が変更になる健康保険料(含介護保険料)ですが、今年度は昨年度の保険料率から据え置きとなることが決まりましたので、従前と変更ありません。これは全都道府県共通となります。
また、新年度4月からの雇用保険料率についても、昨年度と同じ保険料率で変更はありません。
4.国民年金保険料が変わります
平成25年4月分以降の国民年金保険料は、月額「15,040円」となります。これまでは月額「14,980円」でしたので、若干の値上げとなります。
なお、厚生年金保険料率については、今回は変更ありません。
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