今回の東日本大震災で被害に遭われたみなさまには心からお見舞い申し上げます。
さて、震災後の様々な状況に対応した法的取扱いのことについてまとめてみましたので、ご参考下さい。
◎ 医療機関を受診する際の一部負担金等の免除
被災地域の住民であり下記の条件に該当する方は、医療機関の窓口で一部負担金を払う必要はなくなります。(地震発生後に被災地域から他の市町村に転出された方も対象となります。)
@住宅が全半壊・全半焼またはこれに準ずる被災をした方
A主たる生計維持者が死亡・重篤・行方不明・業務の廃止や休止・失職し収入がなくなった方
B福島第1・第2原発の事故に伴い政府の避難指示・屋内退避指示の対象になっている方
受診の際に、氏名・生年月日・事業所名・住所・加入している医療保険等を口頭で伝えれば大丈夫で、罹災証明書等を提出する必要はありません。
◎ 直接の被害や計画停電により事業所の休業を余儀なくされた場合の休業手当等の取扱い
直接の被害を受けた場合はもちろんのこと、地震後の「計画停電」により事業所を休業させないといけなくなることがあると思います。「使用者の責に帰すべき事由」で労働者を休業させる際には、労働基準法の定めにより休業手当を支払わなければなりませんが、前述の場合はどちらも天災事変等の不可抗力とみなされ使用者の責に帰すべき事由には当たらず、休業手当の支払義務はありません。
なお、取引先や道路等の被害のため原材料の仕入れや製品の納入ができないために休業を余儀なくされる場合は、その取引先との関係の深さや他の代替手段の可能性をその判断基準とし、「計画停電」の時間帯以外も含めて丸一日休業する場合には、それが企業の経営上やむを得ないと判断されれば大丈夫です。
◎ 労働保険料の納期限の延長
今回の地震により多大な被害を受けた「青森県・岩手県・宮城県・福島県・茨城県」に所在地のある企業に対して、労働保険料(労災・雇用保険など)の納期限が延長されます。
具体的にいつまで延長されるかは、今後の被災者や被害の復興状況を見定めて検討され、別途告示されることになります。
◎ 雇用調整助成金の利用について
当助成金は経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされ従業員を一時的に休業させた場合にその休業手当の一部を助成するものですが、今回の震災被害に伴うものの多くがこの条件に合致することになります。例えば、交通機関の途絶で出勤できない場合や風評被害で農産物の売上が減少した場合などです。
〜これらの他にも、震災が原因のものについては期限が特別に延長されたり、負担金の軽減・削減が行なわれるものもありますので、各行政機関の窓口等でご確認下さい。〜
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