【2011.03月】 ■ 平成23年3・4月の法改正等情報
−「一般事業主行動計画」「継続雇用制度」「健康保険料・介護保険料率」
について−

◎ 「一般事業主行動計画」の策定義務のある企業の要件が変わります
 「一般事業主行動計画」とは、次世代育成支援対策推進法という法律に基づいて、各企業が仕事と子育ての両立を図るための雇用環境の整備やその取り組みなどの行動計画を定めて、都道府県労働局にその策定した旨を届け出るものです。
 これまでは常用労働者が300人以下の企業には義務化されていませんでしたが、平成23年4月以降は「101人以上300人以下」の企業にも義務化されることになります。
 よって、該当する企業様におかれましては、3月末までにこの行動計画を定め、従業員のみなさまに周知をすると共に、各都道府県の労働局にその旨を届け出る必要が生じます。
 具体的な策定例や実際の届出の仕方、ならびに所定の用紙などは「各都道府県労働局」や「厚生労働省」のHPからダウンロードできます。
 ポイントとしては、各企業の年齢構成や男女比や勤務状況などを踏まえて無理のない取り組みやすい計画を策定することと、労働局への届出にあたっては、その計画の内容ではなく「計画を策定したこと」を届け出るという点です。


◎ 定年後の「継続雇用制度」の定め方が変更になります
 「継続雇用制度」とは、従業員さんが定年後においてもその能力を活かして一定の期間そのまま雇用を維持していく制度のことです。
 これまでは常用労働者が300人以下の企業においては、当制度やその基準について就業規則で定めていれば大丈夫でしたが、平成23年4月以降は、@継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準について労使協定を締結するか、A「定年の定めの廃止」か「定年の引き上げ」または「希望者全員の継続雇用制度」を実施するかのいずれかの方法によることが必要となります。
 つまり、年金の支給開始年齢の引き上げや少子高齢化の進行を踏まえ、できるだけ「希望者全員が65歳まで働ける制度」を作りましょうという主旨です。


◎ 健康保険料・介護保険料率が変わります
 健康保険(協会けんぽ管掌)の保険料率が引き上げられます。これまで同様、都道府県によって料率が異なっていて、例えば東京都の場合は9.48%(事業主と被保険者が4.74%ずつ折半負担)になります。ちなみに、同じ要領で埼玉県は9.45%千葉県は9.44%神奈川県は9.49%新潟県は9.43%となります。
 介護保険料率も1.51%に引き上げとなります。こちらは、全国一律の料率です。
 これらの変更は平成23年4月末納付分(→保険料としては平成23年3月分:今年は曜日の関係で5月2日が納付期限)からですので注意して頂くと共に、社会保険に加入されている企業の方におかれましては、給与マスター等のご変更をお忘れなく。
 それから、(念のために申し上げますが)厚生年金保険料率については、今回は変更ありません。



大橋社会保険労務士事務所
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