今年4月の法律改正のうち、みなさんの生活や日頃の業務に関わりの深い部分をご紹介します。
(まだ正式決定していない事項につきましては、また改めてお伝えいたします。)
◎ 健康保険料率・介護保険料率・国民年金保険料が変わります
健康保険(協会けんぽ管掌)の保険料率が引き上げられます。これまで同様、都道府県によって料率が異なっていて、例えば東京都の場合は9.32%(事業主と被保険者が4.66%ずつ折半負担)になります。
ちなみに、同じ要領で埼玉県は9.30%、千葉県は9.31%、神奈川県は9.33%、新潟県は9.29%などとなります。
介護保険料率も1.5%に引き上げとなります。こちらは、全国一律の料率です。
これらの変更は平成22年4月末納付分(→保険料としては平成22年3月分)からですので注意して頂くと共に、社会保険に加入されている企業の方におかれましては、給与マスター等のご変更をお忘れなく。
また、国民年金保険料は月額15,100円に若干値上げされます。
それから、(念のために申し上げますが)厚生年金保険料率については、今回は変更ありません。
◎ 「労働基準法」が変わります
・ 時間単位年休の取得が可能となります
労使の間で協定を結べば、年に5日を限度として時間単位で年次有給休暇が取れるようになります。この協定には、時間単位年休の「対象者の範囲」「日数」「1日の時間数」などを定めます。
・ 月60時間を超える法定時間外労働に対しては、50%以上の率で計算した割増賃金が必要となります
通常の時間外労働に対する割増賃金は、少なくとも25%以上の割増率(1.25倍)で支払わなければならないとされていますが、この4月からは1ヶ月60時間を超える法定時間外労働に対しては、50%以上の割増率(1.5倍)で支払わなければならなくなります。
深夜労働(22時〜5時)が伴う部分は、深夜分の割増率がさらに上乗せされるので、75%以上の割増率(1.75倍)となります。
[ ex ]
※ 月の時間外労働80時間 ⇒「1時間当りの基準内賃金平均額×1.25×60h
+1時間当りの基準内賃金平均額×1.5×20h」
また、労使の間で協定を結べば、この60時間を超える法定時間外労働を行なった人に割増賃金の代わりに有給の「代替休暇」を与えることもできます。この休暇は、60時間以上の時間外労働があった月から2ヶ月以内に取ることが必要です。
なお、社会的影響が大きいことから、これらの改正は中小企業には当分の間適用が猶予されます。
(ここでいう“中小企業”とは、「サービス業」:資本金が5,000万円以下または労働者数が100人以下、「小売業」:同上5,000万円以下または50人以下、「卸売業」:同上1億円以下または100人以下、「その他の事業」:同上3億円以下または300人以下の事業のことをいいます。)
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